LoveLove世界遺産~旅行先は見たい世界遺産で決めよう~

2018年4月に世界遺産検定2級合格したことをきっかけに始めました。日本・世界各国の世界遺産を取り上げるブログです。国内・海外旅行で「どこに行こうか迷う。決め手が欲しい」そんなときの参考にどうぞ!

世界遺産の基礎知識13・世界遺産と観光&トランスバウンダリー・サイト/シリアル・ノミネーション・サイトについて。

前回予告どおり、今回は2つのテーマから世界遺産について考えていきましょう。

まずはこちらから。

 

トランスバウンダリー・サイトシリアル・ノミネーション・サイトについてです。

トランスバウンダリー・サイトとは、国境を越える遺産という意味で、国境線を越えて多国間に広がる自然遺産を登録する際に考え出されたものです。

文化遺産でも、かつてひとつの文化圏であった地域が、国境で分断されてしまうことがあり、そうした遺産を保護するにあたってこの概念が用いられます。

 

主な遺産では、オランダとドイツ、デンマークにまたがる自然遺産の「ワッデン海」、ベルギーとフランスにまたがる文化遺産「ベルギーとフランスの鐘楼群」などがこれにあたります。

 

続いて、シリアル・ノミネーション・サイトですが、連続性のある遺産という意味で、文化や歴史的背景、自然環境などが共通する遺産を、ひとつの遺産として顕著な普遍的価値を有するものとみなし登録するもの。

文化遺産では中国の「福建土楼群」、自然遺産ではロシアの「カムチャッカ火山群」などがこれにあたります。

 

またそれぞれの遺産が国境を越えて存在する場合は、トランスバウンダリー・サイトとなります。

 

続いてのテーマは「世界遺産と観光」です。

 

有名な観光名所の多くは、世界遺産に登録されています。

世界遺産と観光は切り離すことができない関係にあるわけです。

世界遺産登録され世界中から人々が訪れることが、ユネスコが謳う「相互理解」や「多文化理解」につながっている反面、遺産を保護・保全し次の世代へと引き継いでいく世界遺産の考え方と、従来の観光とのあり方には相容れない点もあります。

 

文化遺産の場合、人々の生活と密着した旧市街や伝統的集落、現在も信仰の対象となっている教会や寺院など、観光客が訪れることによって生活文化や信仰形態が乱されることが少なからずあり、「世界遺産観光」のマイナス面も指摘されています。

 

また、自然遺産の場合は、手付かずの自然を保ってきた場所に観光客が訪れることによって、外来種の問題や自然自体を傷つける環境破壊、ゴミやトイレ問題など、取り返しのつかない事態になることもあり、より深刻となっています。

 

こうした問題は、「観光」自体が悪いわけではもちろんなく、世界遺産の価値を守りながら観光を行う方法が世界遺産登録前に十分に考えられてこなかったという、準備不足によるものが大きいです。

世界遺産の価値を守ることが、観光資源としての世界遺産の勝ちにつながっている点を考慮し、エコツーリズムなどの持続可能な観光を今後も目指す必要があります。

 

次回は遺産の価値が損なわれると判断された場合にリスト化されている「危機遺産」について考えていきます。